なぎさ②
なぎさとエッチなことはしたけれど、セックスたくさんしたかって言われるとそうでもない。ただエッチなことは常にされていた、なぎさはきっと、尽くすというか相手を喜ばせるのが好きなんだと思う。
手ブラーシカ!と胸を抑えられて、
「しゅっぱーつ!」
「がたんごとん」
が、私たちの移動の掛け声だ。(タバコ吸う時くらいしか移動しない)
紙タバコ吸う時、さきちゃんこっちむいてと初めてシガレットキスをした。下手くそだなあと言われた。でもその表情は嬉しそうだった。
もう化粧は落ちていた。なぎさは化粧落とさないと!というが私は頑なに嫌だと首を振った、酔っていたし面倒臭かったし、すっぴんみられたくないし。でもなぎさは怒ってほっぺを軽く叩いてきて、怒るよ!化粧落とすの!と。はい……と手を引かれて洗面台でクレンジングを手にする、さきちゃん化粧落としある?と、洗面所を開けたなぎさは、
「え?今すっぴん?」
と聞いてきた。うん、と返すと
「全然、なんで落とすの嫌だったの?」
「かわいいのに」
「ほんとにかわいいよ」
もう、ベタ褒めの嵐。
「ねえさっきごめんね、痛かった?かわいい顔傷つけちゃったね」
「え、いや大丈夫だよ」
「ねえほんとに、何が恥ずかしかったの?かわいいのに」
な、なんだそりゃ。モラハラ?DV?褒めハラ?なに?そんな、かわいいっていうの?そんなもん?まじでなにでそんな褒めてくれてるの。。。???
お酒も無くなったところで、ベッドに倒れ込んで、気を失ったように昼まで寝た。
朝起きると、まあ機嫌が悪い。なんかよくわからないことをもごもご話して、ちゃんと布団かぶって寝かせようとしたら腕枕して。。と。
「僕、女の人に腕枕しないんだよね」
「なんで私にしてくれたの?」
「わかんない、でもさきちなんならできる」
しないと、さきちゃん駄々こねるかもしれないから。と付け足して。なーーーんじゃそりゃあ。。。私実は人に腕枕して寝るの初めてなんだけど。。。といえばなぎさは背中を丸めて嬉しそうにしていた。
さ、寝るかな、と思ったところで思い出す、バレンタインチョコ。会えた嬉しさで忘れてたわ、おれ。ねえなぎさ起きて、もう寝たでしょ。は?ちんげ!いいからマジで起きて。起きないなら荷物まとめて帰れよ。おおいいよわかったよ。立ち上がって、、ゴディバの袋を持つと、ねえごめんって、と焦って起き出すなぎさに、バレンタインのチョコを渡した。え、なにこれ、なに?
「中見ていいよ」
「どういうこと?」
「いや、どう考えてもバレンタインやろ」
おそるおそる、中身を見たなぎさ、
「え、なにこれ」
「ゴディバと手作りのやつ」
「作ってきてくれたの?」
「昨日友達のキッチンかりたー」
「作ってきても大丈夫だったでしょ」(おそらく、荷物になる心配をしている)
「ううん、友達とも食べたし」
「えー……普通に嬉しいわ」
「ほんと?」
「うん、一緒に食べる?」
「作ったやつは食べて!食べるならゴディバがいい」
「いいよ、とりあえずさきちゃんの手作りチョコ食べるわ」
私に見つめられながら食べるチョコ、かなりやりにくかったと思う。普段のなぎさならきっと見るなというだろうけど、そんな事は一切言わないで、食べ終わった後、普通に美味しいじゃん、とこぼした。すんませんね、手作りキットなんすよ、無印のね。まあこれは秘密にしておきますか。ゴディバを食べようとすかさずに提案して、なぎさと色違いのチョコを食べる、
うんうん、ゴディバやばいね、これは何かお礼する時ゴディバだわ、ぼそぼそぼそ、かなり美味しかったらしい。うんうんよかった。
手作りのは二つ用意していたのだが、残りは、
「さきちゃん帰ったら泣きながら食うわ」
と、袋にしまった。
ねえさきちゃんおいで、ベッドに誘われて、一緒に横になって、おっちんちんがぼっきっき。なぎさは耳が弱いので、耳を舐めて喜ばせていたら、ここも触って、と手をちんちんに持っていかれた、と思ったら、きんたまとちんちんの境目に指を動かして、ここ好きなんだよね、一人でする時触る、と。しこしこはなぎさ、他はわたし。ねえ出そう、飲んでくれる?というが、私はちょっと断った、フェラしてそのままごっくんはいけるけど、いけるけど、そうじゃないと口の中に精液まみれになるから嫌なのよ。。。で、ここで断ったがために、なぎさはあまりうまくイけなかったようで、さあ出るぞ、という時に「あ、なんかちがうイきかたしそう」といって、メスイキ。私はまた一人の男をメスイキさせたんか。。。旦那はしごき、ふゆは声、なぎさは耳。罪作りな女だぜ、まじ。
ちょっとショボンとしてたので、大丈夫だよ、緊張しちゃったんだよね、なぎさの背中を抱きしめながらいうと、うん……。と返してわたしを抱きしめた。
そのあとは出前館で銀のさら、私はちらし、なぎさはねぎトロの重箱。あーうまい、最高。ご飯の後はタバコと決まっている。
「銀のさらってうまいね」
「おいしいよね、私いつもばらちらし食べちゃう。えまってなぎさ、口くさ、ネギの匂いする」
「いや食べたからね?」
「くっさ」
「ふーん?……はぁーーー」
「えごめんほんっとむり」
こんなやりとりが、いつも旦那としているようなやりとりが、なぎさとだとなによりも特別に感じてしまう。えっちなことよりも、こうしているほうが、なによりも私は嬉しいのだろう。
ちらし寿司は残してしまったのだが、あとで食べたらいいじゃん、無理して食べなくていいよとなぎさは半強制的に蓋を閉めた。本当になぎさ、優しいんだよね、多分わかってるんだと思うこのまま無理してでも食べる私を。
ベッドに戻るとご飯食ったら寝る!と言って眠りについた。2時間くらい寝て、起きて残りのちらし寿司を食べようとベッドから出ると、「ねえさきどこいくの?」と後ろから抱き締めてきたなぎさと一緒に冷蔵庫からちらし寿司を取り出して、二口食べたら飽きたので、なぎさと一緒に食べながら、お酒に手を出した。
コンビニに売っている、四角い容器に入った郡にストゼロ半分、エナジードリンク半分、名を禁断の果実。ストローなんか挿してきて、これはもう終わったなあと思いつつ、私たちの中で話題になった三國無双の映画を、なぎさの胡座に座ってみて、お酒も進んでいた。
私が禁断の果実に手をかけると、なぎさがそれを取って渡してきてくれた。「取ってあげるよ」と。
「いやいいよ、取れるよ」
「なんで?取ってあげるよ」
「え…いいのに、取れるもん」
「別にいいじゃん。はい」
ここまでするのは、なかなかいないぞまじで。これ、本当にこういうことができる子じゃないと、こんなことができないんだよ…。
「ねえ、ほんとに優しいね」
「なに?いきなり、別にこれ優しくないでしょ、みんなするよ」
いやいや、しないんだよ?本当に。
禁断の果実、飲み干す。檸檬堂、飲み干す、次のお酒も、飲み干す。もう完全にふらふらで、立つこともままならないレベルまで飲んでしまった。
そのあとはなぎさが高校3年間の集合写真を持ってきて、こういうのを実家に置かないで引っ越し先に持ってくるのがなぎさらしい。さきちゃんがこの中にいたら一番かわいいよねと発言するなぎさに、いやいやそれはないでしょ、というが、いや絶対かわいいとという。どんだけ私のことを可愛いと思っているんだと好き好きフィルター掛かってると言っても、いや僕そういうの無いから。って、いや、かかってるでしょもうその発言こそが。
お酒を飲みながら実写三国無双を観たり、もう、それこそ他愛のない話をしたり、なぎさの家族の話を聞いたり、なぎさはたくさんの話をしてくれた。(家族の話怖すぎてやめとこか?と中断せざるを得なかった)
なぎさがトイレで立ったので、わたしもついでにタバコでも吸おうと思い、紙タバコに火をつけて、煙を出すと、後ろの壁にドン!と音を立ててよろけて打ちつけた。「ねえなぎが後ろいないから」トイレに入っていたなぎさは、すぐに出てきて、ごめんごめんと私の後ろに回った。ああやさしいなあ好きだなあと思いながらシガレットキスでタバコをつける。
部屋に戻ったら、ベッドにダイブ。なぎさは少し席を外して、戻ってきたら部屋の灯を消した。
「ねえこれ」
「え、なにこれこわい、なに?こわいんだけど」
「怖くないよw いいから、みて」
おそるおそるみると、そこには大人のおもちゃ。もちろん使って遊んだ。とても満足そうな顔をしていた。なにこういうの、したいのか、まあ性欲強いしなあ。
なぎさは自分の欲を満たすセックスをするのかと思っていたが、実はそうではなくて、ものすごい奉仕型の人だった。でも奉仕されるのも好きなようで、耳を舐めるとすごく喜んだ、毎日してほしいし朝ちんこ舐めて起こしてほしい、と年相応な発言もあった。毎日してあげたいよ私だって、と言いたかったが、そのあと結びつけるものがあるなと思ったので、わざと返事をしないで笑った。毎日朝大変だね、と当たり障りのない返事くらいはしておいた。